ナツメくんの人気者理論【完】
『……おはよ』
さすがに、挨拶をしてきた相手を無視するわけにはいかない私は、しぶしぶ、ナツメくんに挨拶を返す。
『あ、朝比奈ちゃんが男子と喋ってる!!?』
またもや、男子たちの騒めきが教室内に響いた。
いちいち、うるさい!
『そりゃ、朝比奈さんも挨拶くらいするよ、そんなに騒ぐこと?』
ナツメくんが肩を奮わせながらフォローする姿が目に入った。
…てか、絶対バカにしてるよね!?笑いこらえてるよね!??
私は、拳を握り締めた。
もうナツメくんには、我慢の限界だ。
そう思って、私が口を開こうとしたその瞬間、
ナツメくんが私の腕をつかんでいた。