ナツメくんの人気者理論【完】
『な、ナツメくん、そろそろイルカショーはじまるよ?』
慌ててそうフォローをいれる私。
幾分、ホッとしたような彩香さんは、
『じゃ、じゃあ、私は友達待たせてるからこれで。綾人くん、またメールするよ!里緒ちゃんもまたね〜!』
それだけ言うと、足早にこの場を去っていった。
『なんだ?アイツ?』
彩香さんの態度がいつもと違うのを感じたのか、ナツメくんは、首をかしげている。
…はぁ…ナツメくんの鈍感…
私は、深いため息をついた。