ナツメくんの人気者理論【完】
『ね〜、そういえば、今日彩香来てないじゃん?何で?』
ふと、真梨子ちゃんが薫ちゃんにそんなことを聞いている声がきこえた。
『…ばっか!真梨子!!彩香は…』
そこまで言って、薫ちゃんは、私がいることに気付いたのか、ハッとしたように、
『バ、バイトらしいわよ!』
そう言い放った。
……彩香さん…たぶん、いや…きっと…ナツメくんのことが好きなんだ…
私は、この前の水族館での出来事を思い出して、胸が苦しくなる。
彩香さん、ナツメくんと仲良かったみたいだった…
なぜか、不安が脳裏をよぎった。