ナツメくんの人気者理論【完】


――


『さっきから何なんですか?私で遊ぶんだったら他あたってください!!』



ナツメくんに校舎裏に連れてこられた私は、思い切りナツメくんの手を振り払って、そう叫んだ。




『別に…遊んでるわけじゃないんだけど…?たださ、朝比奈さんって、せっかく隣の席になったし、話し掛けてみたいな〜って思ってたからさ、今日ぶつかれてある意味よかったかも。』



私は、全然よくないっつ〜の!



『……とりあえず…もう、私にかかわらないでください!人気者のナツメくんにまで手を出したとか噂されたくないんです!!今以上に…友達ができなくなるじゃない…』



そう言った途端、視界が霞んだ。


『ナツメくんみたいな人気者には、一生わからない悩みなんです!』



ポタッ




こらえきれずに、目から涙がこぼれた。




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