ナツメくんの人気者理論【完】
その瞬間、
今まで静まり返っていたクラスメートたちがわらわらとナツメの周りに集まってくる。
『ナツメ、一目惚れって……マジ!?』
『相手どんな子なのさ?』
男子を中心にあっという間に大きな輪ができた。
その中心にいるナツメは
『薫…てめえ…』
なんてぼやいていたが、こちらも被害を被ったのだこれくらいしても許されるだろう。
『なんか、超かわいいらしいよ?』
極めつけにそう言ってやれば、
ますます、盛り上がりを見せるクラスメートたち。
…単純だわね…
しかし、問題は彩香だ。
これでナツメに付きまとうのを諦めるだろうか?