ナツメくんの人気者理論【完】
『…何勘違いしてんのか知らないけど…バイバイって…どういう意味…?』
気付いたらオレはそう里緒に問い掛けていた。
すると、里緒はさらに表情を歪めながら、
『…だって…ナツメくんは…彩香ちゃんが…好き…なんでしょ…?だから、今朝も彩香ちゃんのところに行ってたんじゃないの…?』
ポソリとそれだけ呟くような声で答えてくれた。
…やっば、勘違いしてんな…
オレは少しため息をつきながら
『あのな〜、オレが好きなのは里緒だから!!…とりあえず、それはわかってよ、…彩香とは…何もないから…告白はされたけど、オレちゃんと断った、里緒が好きだから』
そう言って、里緒の目を見てオレは微笑んだ。
里緒は驚いたように顔をあげる。
その表情は、すごく嬉しそうで…
『…ナツメくん、大好きっ!』
オレに抱きついてきた里緒は、本当にかわいくて…。
…ば〜か、オレのほうが好きだっつうの!
なんて、思ったのはオレだけの秘密。