ナツメくんの人気者理論【完】
*はじめての友達
*はじめての友達
『で、具体的にどうしたら友達になれるんですか?』
私は、ナツメくんに問いかける。
はっきり言って、一番聞いてみたいことだった。
『ん?まぁ、まずは…』
『ま、まずは…?』
私はじっと、ナツメくんを見つめた。
『…まずは、その“男は近づいたら殺す”的な雰囲気どうにかしなよ…』
『え…?そんな雰囲気出てますかね?』
『うん、出てる、出てる。ものすっごくね〜』
そう言って、呆れたように私を見た。
『ど、どうしたら…』
『だ〜から!オレが手始めに友達になったんだろ?……まぁ、朝比奈さん、オレには、そーゆーの出してないみたいだけど…何で?』
ニヤニヤして、私を見つめるナツメくんに、私は、きょとんとしながら首をかしげた。
『…あぁ!それですか!たぶん、ナツメくんは、私とあんまし背が変わらないから男の子に見えにくいし、それに、ナツメくんは、私の顔目当てで近づいてきた男たちとは、違いますから』
そう言って、ニコッと笑った。