ナツメくんの人気者理論【完】


私は、唇を噛みしめながら顔をさげる。



…ナツメくんにも幼なじみさんにも…迷惑をかけたらダメだ!



そう思って、口を開こうとした瞬間だった。





『あのさ、さっきから言いたいことあるならもっとはっきり言えば?』




ナツメくんが、無表情で周りのクラスメートたちにそう言い放った。




『ナ、ナツメ…?』



さっき、私に挨拶をかわしてくれた二人組が心配そうにナツメくんを見ていた。



『私も、ナツメに同感!…てか、結局、あれじゃん?朝比奈ちゃんを男好きだのなんだのってくだらない噂流してる女子の皆さんは、結局、朝比奈ちゃんが可愛いからって…ヒガんでるだけなんじゃないの?』



私を庇うように幼なじみさんもそう言ってくれた。




クラスメートたちは、2人に非難されてバツが悪そうな表情を浮かべる。





そんななか…。



『あっ、自己紹介まだだったよね?私は、松嶋薫(かおる)。よろしくね?』



にっこりと嬉しそうな笑顔を浮かべる幼なじみ…いや、薫ちゃんは、キラキラと輝いて見えた。




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