ナツメくんの人気者理論【完】
私は、くるりと後ろを振り返った。
そして
『ナ、ナツメくん、今日は、薫ちゃんとあわせてくれて…ありがとう…それにさっきも庇ってもらったし…私…嬉しかった』
にこっと、ナツメくんに微笑みかけた。
『…別に…薫にあわせたのは、薫が紹介して欲しいって言ったから。さっき、庇ったのは、ああいう事は、オレが一番嫌いなことだからだし』
『それでも嬉しかったの。ありがとう、ナツメくん。私、ナツメくんと友達になれてよかったよ』
楽しそうにニコニコと笑う私に対して、
『……はぁ……友達ね〜…』
そう言ったナツメくんは、なぜか複雑そうな表情を浮かべながらため息をついていた。