ナツメくんの人気者理論【完】
…さっきのは…何…?
未だにズキズキと痛む胸をおさえながら私は、ナツメくんを見た。
すると、私の後ろから呆れたような薫ちゃんの声が聞こえてきた。
『ったく…本当に素直じゃないんだからさ〜』
そう言いながら薫ちゃんは、私の手をつかむ。
そして、
『じゃあ、里緒連れていくからね……あっ、ナツメ…早くしないと…とられちゃうかもよ?』
ニコリと、かわいらしい笑顔を浮かべた。
…何を?
薫ちゃんの言葉に首をかしげつつ、私は、教室を後にした。