ナツメくんの人気者理論【完】


ナツメSIDE



あわただしく教室を出ていった2人にオレは、軽くため息をついた。



『はやくしないと…とられちゃうかもよ?』



そう言っていた薫の楽しそうな笑みを思い出すだけでイライラする。




『…てか、朝比奈さん…鈍すぎ…』



思えば、朝比奈さんと偶然ぶつかった時だって本当にラッキーだって思ってた。



朝比奈さんのことが気になりだしたのはいつ頃だったろうか…。



ひとまずかなり前から彼女のことを意識していたのは、本当だ。



『…はぁ』


オレは、また一つ大きなため息をつく。



朝比奈さんと、友達になってから…たぶん、ただの一度も‘男’だと意識されたことはないに違いない…。



そう考えるとイライラする。




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