ナツメくんの人気者理論【完】
*いざ、家へ
*いざ、家へ
―――
『里緒ちゃん!ここが私の家だよ〜!狭いけどゆっくりしてって』
薫ちゃんの言葉に私は、絶句した。
『…おっきい…』
これのどこが狭いのだろうか…?
私の家と比べたら倍はでかいんですが…。
『あっ、ちなみに、向かいに見えるのがナツメん家』
『…え…』
私は、その言葉にくるりと後ろを振り替える。
そこには、薫ちゃんの家よりは、小さいが、かわいらしいおしゃれな家が目に入った。
いろいろな花が植えられていてとってもきれい。
よく、手入れもされているように見える。
『…ナツメくんの家…かわいい』
私がぽそりと呟いた一言は、薫ちゃんに聞こえていたらしく、
『あ、やっぱりそう思う?ナツメのお母さんの趣味なのよ?あれ。ナツメのお母さん、かわいらしいもの大好きでね〜私とも趣味があうのよ〜』
そう言ってニコニコ笑う薫ちゃんは、本当にかわいい。
『いいな〜、私も今度会ってみたいな』
そう言って、私もそんな彼女に笑い返した。