ナツメくんの人気者理論【完】
9時まであまり時間がない。
私は、ひとまず当たり障りない白のワンピースという格好で家を出た。
――
『おはよう、薫ちゃん』
『おはよう、さっ、こっち、こっち』
薫ちゃんは、なぜか急いるみたいで、私を早くとせかす。
『どうかしたの?』
『いいから、いいから』
首をかしげる私をよそに薫ちゃんは、私を部屋に連れていった。
『はい、まずはコレ着て?』
部屋につくなり薫ちゃんは、私にいくつかの服を差し出してきた。
『え?』
焦る私には、お構い無しで
『私がかわいくしてあげる』
そう言って、薫ちゃんは、楽しそうな笑みを浮かべた。