ナツメくんの人気者理論【完】
『う〜ん?かわいいけど…何か足りないのよね…』
『…薫ちゃん…疲れたよ』
あの後から、私は、着せ替え人形状態で…何着も服を着た。
『…あっ、これで最後だから!』
『わかった…』
私は、薫ちゃんから差し出された服にしぶしぶ袖を通す。
『!!よしゃっ!これで、バッチリ!ふふふ、見てなさいよ〜』
ようやく、薫ちゃんのお気に召した服が見つかったらしく、私は、内心ほっと、していた。
『さっ、次はメイクと髪…ね』
薫ちゃんは、そう言うと、私のセミロングの髪を念入りにブラシでとかしはじめる。
『わあ〜!里緒の髪フワフワ。さわり心地いいわ!!これなら髪は、そのままでもよさそう』
ふふふ、と嬉しそうに笑う薫ちゃん。
そして、軽くメイクをされた私。
『うん!サイコー!これでおちない男はいないわね!』
満足そうに頷いた薫ちゃんごしに私もちらりと鏡を見た。