ナツメくんの人気者理論【完】
あわてる私をよそに薫ちゃんは、満足気に私を見た。
『う、うん』
『ほら、里緒!自信もって!とっても似合ってる!』
『ありがとう…』
今まで私のためにこんなに悩んでくれる女の子はいなかった。
私は、幸せものだな…
ナツメくんに、薫ちゃん、2人も私のために一生懸命になってくれる友達ができたんだ。
私は、涙が出そうになるのを必死で堪える。
せっかく、薫ちゃんにしてもらったメイクを落とすわけにはいかない。
『もうっ、ほら笑って?里緒?もう、あなたは、1人じゃないよ?私だって、ナツメだっている…それにこれからだって素敵な出会いが出来るんだから』
薫ちゃんは、そう言って笑ってくれた。