ナツメくんの人気者理論【完】
その声に私は、驚いて顔をあげた。
『ナ、ナツメくん…』
『ゴメン…怖い思いさせた』
私の目に涙が浮かんでいるのを見たナツメくんは、気まずそうに視線を私からそらす。
けど、すぐさま私の腕をつかんでいた男の手を振り払うと、
『…オレの彼女に何か用ですか?あんまり、ヒドイようだったら警察呼びますよ?』
そう言ってナツメくんは、不気味な笑みを浮かべた。
『ちっ、男いんのかよ』
ナツメくんの言葉に怖気づいた男たちは、そう言い残すと、さっさと立ち去っていく。