ナツメくんの人気者理論【完】
きょとんと首をかしげる私にナツメくんは、ホッとしたように息を吐いた。
そして
『…この前は本当にゴメン』
そう言うと、ナツメくんは、私に頭をさげた。
『…え?』
意味がわからない私は、突然の出来事に頭がついていかない。
…な、何で…ナツメくんがあやまってるの…?
『……この前の態度は、ただの八つ当たり…みたいなもので…えっと、決して朝比奈さんが嫌いとかそういうのじゃなくて………だから…』
必死に弁解しようと口籠もるナツメくんが急に可愛く見えた。
『…大丈夫…気にしてないよ…ちょっと心配はしたけど…ね』
そう言って、ちらりとナツメくんの顔を私は、覗き込んだ。