ナツメくんの人気者理論【完】
ドキドキ、ドキドキ
…ヤバい…なんなの…これ
ナツメくんを見るとまたもや心臓のあたりがギューッとなる。
『あ…うん、そうだね』
『よし、決まり。じゃ、行こうか?』
ナツメくんは、そう言うと、私に手を差し伸べてくる。
え?な、何??
『…人、多いから…それに…朝比奈さんがそんな…かわいい恰好してるから周りの男たち、さっきから朝比奈さん見てるの気付いてる?…つーわけで、ナンパよけってことでさ』
そう言って、少し照れたように差し出されるナツメくんの手。
『う、うん』
私も軽く頷きながらその手を握った。