ナツメくんの人気者理論【完】
パチッ
その瞬間、ナツメくんと目が合ってしまった。
『ん?どうかした?』
ギュッと、私の手を握りしめながらナツメくんが優しく問い掛ける。
『う、うん、どこ行くのかなって気になったから』
『あ〜決めてないよ?ひとまず、ブラブラ散歩してるけど…朝比奈さんどこか行きたいところある?』
『う〜ん?あっ、アイス食べたいかも…?』
ちらりと、そう言ってナツメくんを見た。
『アイスね…じゃあ、ジェラートとかは好き?』
『大好き!』
ジェラートと聞いて途端にご機嫌になる私。
『っ…!』
一瞬、ナツメくんは驚いたように目を丸くしたが、その顔はみるみる赤く染まっていった。