ナツメくんの人気者理論【完】
『いらっしゃいませ』
優しそうな店員さんの声も無視して私は、あのタオルが並ぶ棚の前に素早く移動した。
…はやくしなきゃ、薫ちゃんも待たせてるし
『あ、あった』
けど、そのタオルはなかなか高い位置に置いてある。
…届くかな…
なんて、ちょっと心配になったが私は、思い切り背伸びをしてみた。
う〜ん……もうちょい…
なかなか届かない。
ジャンプしてみたがやっぱりあと少しで届かなかった。
…くっそ〜なんか踏み台みたいなものないの?
ヒョイ
…え?
私が踏み台を探して周りをキョロキョロしているうちにタオルが誰かの手によってとられていた。