ナツメくんの人気者理論【完】
『ふ〜ん?1人で来たの??』
相変わらず、怪訝そうな表情を崩さないナツメくん。
…私何かしたかな…?
『ううん、薫ちゃんと!』
『あ〜薫とね…』
なぜか納得してくれたようだ。
『そ、そういえば…ナツメくんもうすぐ、誕生日なんでしょ?誕生日会私も絶対行くからね?』
『…うん、来てよ、楽しみにしてるからさ』
『もちろんっ!』
はにかんだように笑うナツメくんはすっごく嬉しそうで…こっちまでつられて笑顔になってしまう。
『じゃ、また学校でな…オレこれから部活だからさ…今日は、野球で使う道具の買い出しに来たんだよ』
最後に爽やかな笑顔で私に手をふりながらナツメくんは、ショップを後にした。
『ナツメくん…嬉しそうだったな……』
軽い足取りでレジに向かいながら私は、ふとそんな言葉をもらしていた。