shadow boy
「はぁあぁあぁあぁあああああ!!!!?????」
屋上でよかった。
叫んで怒られたりしないもの。
私は驚愕してしまった。
そりゃ驚くだろう。
その男の子は、告白した。
たった今。この、私に。
「そんなに驚きますか。俺、変なこと言いましたか。」
「言ったわよ!!いま、す、…好き、って…!!」
指を指し、パクパクと声の出ない口を動かす。
「失礼ですよ、化け物を見るような目で見ないで下さい。
それと、人に指をさしちゃいけないって習いませんでしたか?」
その男の子は近づき、スルリと私の指に自身の指を絡ませた。
冷たく、すべすべした指は、妙に気味悪く感じる。
耳元に唇を寄せると、その男の子は囁く。
「…習って、ないんですか。」
「な、習った、わよっ!!っていうか、離れて…ッ!!」
私がそう言うと、その男の子は素直に離れた。
「いきなり近づかないで…。もっと大事な事、忘れてないかしら?」
「…そうでした、大切な事、忘れてましたね。」
そう言うと男の子は、静かに手を差し出す。
「手、触ってもいいですか。」
「自己紹介でしょうがッ!!!」