女王のココロを奪うkiss(休載)
だから、純粋に疑問に思っただけなんだ、わかってる。
純粋なんだ、この子は。
キスしたこととかハプニングしちゃうこととか男と女がひとつ屋根の下であれやこれやなんて考えることのない純粋無垢な少年なんだ。
だがしかし、嫌いなのに泊りにきてると話したら、なんで?って聞かれるに決まってる。
そしてそのなんで?はあたしにも不明なのだ。
だから……。
「あーうん、ねー」
認めたくはない。
認めたくはないけれど、純粋な少年に対して嘘も本心も言えない。
「へー。仲良しねぇ」
「げ」
「兄ちゃん!」
自分の部屋から現れた祐斗は、着替え済みらしい。
「祐樹はレンのこと好きかー?」
「うん、だいすきー♪」
きゅんっ!
か、かわいい、なんてキュートっ!
「じゃあ、レンのとっておきの秘密を一つ教えてやろう」
「え!ほんと!?」
「え!?なに吹き込む気でいるの!?」
あたしが祐樹の耳をふさごうとしたその両手をあっさり掴んだ祐斗が、あたしに目を合わせる。
思わずその行動に、祐斗の顔を見ると、その声は甘く囁いた。
「レンはなぁ、すっげー強いんだぞ」
……やられた。