女王のココロを奪うkiss(休載)
「え!ほんとう!?」
「あー強い!誰よりも強い」
「兄ちゃんよりも!?」
「んー兄ちゃんとはどうだろうなぁ。本気で戦ったことないから。でも兄ちゃんが強いの知ってるだろ?」
「知ってる!すごい!れんちゃんすごいんだね!!」
この兄弟の会話に、放心状態のあたしはついていけない、否、ついていきたくない。
というか、祐樹に知られたくなかった。
「れんちゃんどうしたの?」
あたしが不良だってバレるのも、時間の問題になってしまった。
なんてったって、この兄貴にこの弟だ。
……真実に気付いた時、どんな反応をするのか、今から怖い。
それから祐斗はあたしの後ろからついてくるように登校した。
「なぁ、知ってるか?」
「なに」
「殺姫(サツキ)が一校に来たって噂、すでに広がってるらしいぜ」
「え、うそでしょバカじゃないの?」
サツキ、そう呼ばれてあたしは反応する。
なんてったって、あたしの中学時代の通り名だったから。
「うそじゃねーよ、四つ葉中の殺姫さん。いや、今度からは一校の殺姫さん?」
「だれ、情報漏らしたの」
「昨日帰るところ見られたらしい。ってアイツらに聞いた。そういや溜まり場どうするかな……」
もう、頭を抱えることしかできなかった。