女王のココロを奪うkiss(休載)
放課後、あたしは美容室に来ていた。
明るかった髪とおさらばしろという祐斗に連れられてきた。
ピンクブラウンの髪はダークブラウンへと変わり、伸びていた髪を切ってセミロングにして、さらに縦ロールのパーマをかけた。
おいおい誰だよこりゃ。
「お嬢系姫系妹系お姉さん系……まぁどれもいろいろ考えてみた」
「……お、おう」
何だろう、高校デビューする主人公の気分……。
いや、まぁ、これも高校デビューになるんだろうけど。
となりで一緒に鏡を見ながら、祐斗は言った。
「お前どれにしても絶対ボロ出るだろ」
「……え?」
「だから、大人しくしてられないだろ?いいとこボーイッシュ系だとしても元がボーイッシュなんだから意味がない。こうなったらあれしかない」
「あれって?」
嫌な予感、怖い予感。
「お前は俺の女王様になって、命令しておけ。俺は忠誠心溢れるイヌにでもなってやる」
学校で、演劇をするような感覚で話す祐斗。
祐斗はなんだってできる。
あたしを女王にするというなら、女王キャラにするんだろう。