女王のココロを奪うkiss(休載)
「言いたい放題いつも通りに言ってくればいい。ただ俺の対応が変わるだけだ。それなら行けるだろう?」
「……何だかとても、誰も寄り付かなそうな設定。なんか嫌われそう」
「そうか?別に今まで友達いなかったんだから今更できなくても別に変わりないだろう」
コイツヒドイな。
確かに殺気隠せなくて女の子からは遠巻きに見られ、男からは崇拝されて、唯一対等だったのは祐斗だけだったけども。
……その祐斗とも、対等じゃなくなる?
「お前、不安そうな顔してるけど、大丈夫だ」
「……別に、不安なんてないし」
「従ってるけど従ってない、そんなエセ犬をする気でいるから気にしなくていい」
「……なにそれ」
「明日になればわかる」
祐斗はそう楽しそうに話した。
でも確かに、エセ紳士がうまい祐斗なら、やってくれそうだ。
「美容師さん、コイツ髪型どういうのがいいかな?」
「サイドアップとかいいんじゃないかしら?簡単に。少し下は残して、耳のあたりでくくったら、ほら、可愛いわ」
「髪飾りも買いに行くか。どうせ持ってないんだろ?」
「え!?あ、そうだけど……」
美容師さんに、「彼氏さん?」って聞かれたけれど、あたしはうまく言えなくてうつむいただけだった。