女王のココロを奪うkiss(休載)
結局、この関係はなんだろう?
女王?ときたら奴隷とか?
紳士だから執事?
いやいやお嬢様じゃないんだからそれは違う。
恋人?
には程遠いけれど、祐斗の提案した「俺の女」とやらは、彼女って認識でいいんだと思う。
祐斗の女……いやいや、想像つかないし。
祐斗は、周りにあたしのことをなんて話したんだろう?
殺姫は別の学校に行った。
今俺と行動してるこの女は殺姫じゃなくて……そこまで妄想して、考えを止めた。
なんであれ祐斗はあの騒動を鎮めてくれたんだから、まぁそれでいい。
美容院の帰り、祐斗は聞いてきた。
「昨日の、考えた?」
「……うん」
それは、仮にでも祐斗の女を演じるか、どうか。
「祐斗の考えてくれた以外の方法は見つからないし、もう殺姫はこの学校にはいないって噂立てたんでしょ?」
「あぁ」
「だったら……あんたの女、引き受ける。でも仮だからね!?全然そういう、恋愛的なアピールはできないからね!?」
「とりあえずいいよ、それで動きやすくなるから。ありがとな」
ふわり、優しく笑った祐斗の笑みは、偽物でも嫌味でもない、自然な微笑みだった。