女王のココロを奪うkiss(休載)
どうやらウチの親が祐斗に頼み込んだらしい。
『どうかカレンを高校卒業出来るように見ていてください』と。
祐斗はあたしよりずっと頭がいいくせにOKした。
なぜか昔からうちの親には猫被っていい子ぶってるから、親はなんとかしてほしいことがあるとすぐ祐斗に頼んでくる。
それで受験のときスパルタされたのも遠い過去の記憶の彼方だ。
そんな裏表の激しい祐斗は、下をまとめるのまでうまい。
そしてあたしを丸め込むことも、なんだかんだうまいから嫌いだ。
アイツは生意気。
モテる、強い、頭いい、とかマジ生意気。
生意気な幼馴染みとしか思っていなかったあたしは、祐斗が今まであたしのことをどう思ってきたかなんて考えたこともなかった。
そして……。
事件は起きた。
「今日夕飯に祐斗くん連れてらっしゃいよ。入学祝いでお礼しなきゃだわ!」
そう嬉々として爆弾を落として来たのはあたしの母親。