女王のココロを奪うkiss(休載)


「どこ連れてく気なの?」

「まだ秘密。俺たちの新しい居場所だ」



新しい居場所?

この男、何を考えているのか。



裏道に入り少し歩いたところで、祐斗は止まった。

そこには地下へと続く狭い階段がある。

二人がすれ違うことが出来るか出来ないかくらいの幅の階段。



「ついてきて」



そう言った祐斗はその階段を降り始め、それに続いてあたしも階段を降りた。



降りた先にはドアがありそこを祐斗は迷いなく開く。

広がった空間には、知る顔がずらりと並んでいた。



「レンさん!」

「レンさんが到着したぞ!!」

「……は?」



そこには、祐斗に預けた部下たちがどうやらあたしのことを待っていた様子。



「まさか、新しい居場所って……」

「中学じゃ殺姫ってバレるから、メンバーのみんなに聞いていい溜まり場がないか探した」



祐斗はあたしを見て微笑む。

珍しい、そんな風に優しく微笑むなんて。



「ここは元スタジオだった場所。そこそこ広いし、防音設備も整ってる」



本当に別の溜まり場を、しかもこんな短期間でみつけてくるなんて思わなかった。
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