女王のココロを奪うkiss(休載)


「どうだった?新しい溜まり場。いい感じじゃねぇ?」



祐斗は何気ない質問をなげかけてくる。

なにを考えているのか、本当にわからない。



「……溜まり場は、まぁ、いんじゃない?」



あたしを殺姫として慕う連中。

中学のころのあたしを知っている連中。



祐斗とあんなことをしてしまった。

どう思っただろう。



いや、あいつらなんてどうでもいいはずなんだけど……。



「なにか他に不満があった?」



わかってるくせに、そう問い掛けてくる祐斗が嫌いだ。

あんな大人数の前で……。



「あんたが不満の種に決まってんでしょ」



あたしは祐斗を睨む。

なんであんなことをしたのか。

この前から急にスキンシップが多くなったし、変な雰囲気になるし、かと思ったら前と変わらないところもある。



「俺は、かれんが不満の種だ」



にこり、笑っているけれど、目は笑っていない祐斗。

不満だと言う割に絡んでくるのは一体なんなの?



「アンタの不満なんて知らない。だったら帰れば?」



あたしがそう言うと、祐斗は真顔になり、立った。
< 52 / 86 >

この作品をシェア

pagetop