女王のココロを奪うkiss(休載)
その腕をパシッと払うと、払った腕を掴まれた。
この腕に引かれるのは何度目だろうか、グイッと強く引き上げられ、目の前には祐斗の顔。
「離せ」
「離さない」
その瞳を見ていると、今日その腕の中に抱きしめられた事や何度もされたキスを思い出してしまって、頭を振って記憶を頭の隅へ追いやった。
「どうした?」
「なんもない。いい加減離してよ、そして帰れ」
そう言った直後、いつの間にか背中に回されていた腕に腰を引かれる。
密着する身体に、焦りが込み上げる。
すると、フッと鼻で笑った音が聴こえたと思ったら、腕が離され、両腕が腰に回り……
「ひゃっ!?」
あたしは持ち上げられた。
その行為に唖然としていると、祐斗は部屋のドアを閉め、部屋の中へ数歩歩みを進めた。
見えていないけれど、位置的にベッドだ。
そして……あたしを降ろすというより、そこへ落とした。
ポスッと、柔らかい感触があたしを包む。