女王のココロを奪うkiss(休載)
「な……なにすんの!?」
怒らせたのか、いやでもニヤリと今は笑っている。
薄暗い部屋の中、祐斗の表情、嫌な予感に冷や汗が出る。
「あの時の記憶は忘れるし、帰れとか言うし、俺の気持ちなんて全く気付いてなさそうだし」
そう言ってあたしの横に片腕を伸ばすと、ベッドがギシリと1度鳴った。
最近の祐斗は全体的に近い、顔とか近い。
捕らえられたその瞳に、逃げろと脳が叫ぶけど、逃げられない。
その瞳はあたしを逃がさない。
グイッとさらに近付く顔に、反らせない瞳。
呼吸を忘れてしまう。
顔を傾けた祐斗を見て、思わず目をギュッとつむるけれど、何秒経っても何も起こらない。
え?と思い、片目を開いた直後、頬に当たる柔らかい感触。
「なにすんの」
「キス」
今度はあたしの左手を手に取り、そこへ口付ける。
「……なにがしたいの」
「お前の心を乱したい 」
「は!?」
今度は額へとその唇を近付け、そこに当てた。
キスをされたところから、甘い痺れが広がる。
ドクドクと鳴り響く心音に、緊張が高まる。