女王のココロを奪うkiss(休載)
愛でるように撫でられる頬、指が触れる唇。
「どう、乱れてる?」
雰囲気に、呑まれてしまいそう。
うまく言葉が出ない。
どうしたらいいのか、わからない。
だってこの行為を、心の底から嫌だとは思えない自分がいて、戸惑っている。
後頭部を撫でる手に、心地良さすら感じてしまっている。
そんなはずない、のに。
今まで文句ばっかり言ってたはずなのに。
好きじゃない、祐斗のことなんて、そんなはずなのに。
優しく触れる掌が、今度は心を落ち着ける。
乱されるのも、穏やかにさせるのも、祐斗。
あたし、祐斗に振り回されてる。
「かれんさ、前と今で俺の見方変わった?」
ふと、そう聞いてくる祐斗。
「……憎たらしい」
「そうか」
祐斗はそう言って笑ったけれど、その笑みは少し寂しそうに見えた。
「まぁいい。これからゆっくり教えてやる」
そう言って祐斗はあたしの両手をとり、ベッドに倒した。
さっきまでとは違い、危ない雰囲気に血の気が引く。