女王のココロを奪うkiss(休載)


重要なのは、ウチだけに見せる、というところ。

外とこの家じゃ、祐斗の性格はガラッと変わる。



そしてケーキも食べて、夕飯も済ませ、そろそろ片付けようか、という時に事件は起きた。



喉かわいたなーと思って台所に行ったら、ちょうどコップの中に氷水がはいっていたから、それを飲んだ。

たぶん母親が台所に立っている時に飲んでたものだろう、と……。



直後、水から苦味を感じ、コクっと飲んでしまっていた。

……これ水じゃない……!?



「レン、ケーキのお皿ここに……レン?」



頭がふわふわして。

くらくらして。

顔に熱が集まってくる。



そんなあたしの手にある氷水を祐斗は奪って匂いを嗅ぐ。

はぁ、というため息が聞こえた。



「酒じゃん」

「……ふ?」

「酒弱いのにこんな強いの飲みやがって……」



小声でそうあたしに話す祐斗。

頭がくらくらするから、とりあえず机に手をついたけれど、横から祐斗の手が腰に回ってきて、姫抱きされていた。



「おばさん、お酒置いた?」

「え?なに?」

「悪い、それ父さんだ、忘れてた」

「かれんが飲んじゃったから、部屋に連れていくね」
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