女王のココロを奪うkiss(休載)
「小岩井さん、保健室まで連れて行ってくれるかしら?」
「え……あ、ハイ」
思いっきり暴れられなかったことにショックを受けつつも、その子を保健室まで連れて行った。
「失礼しまーす」
扉を開けるとこの前お世話になったばかりの保健室の先生がそこにいた。
「あら、小岩井さんどうしたの?また熱?」
「いや、違くて……」
あたしの後ろにいた小沼って子が小さすぎてあたしに隠れて見えていなかったようだから、一歩横にずれると、先生は「あらま」とその子に近づいた。
「パス練してたら頭にぶつけて転んだみたい」
「大丈夫?」
「ちょっと痛いかも、です」
へらへらと笑っているその子をソファーに座らせ、傷や頭の状態を見る先生。
「どう?」
「ちょっと頭くらくらして……でも結構大丈夫です」
へへっと笑うその子は、先生からあたしに視線を移し、ふんわりと笑った。