女王のココロを奪うkiss(休載)
「あとは、赤坂くん?だっけ。彼の影響もあるかな」
「アイツのせいか」
赤坂とは祐斗のことだ。
チッと舌打ちをするけれど、彼女は両手と頭を振って「違うの違うの」と慌てて付け加える。
頭振ってるけど大丈夫なのだろうか。
「えっとね、美男美女カップルだから、さらに近づき難さが増すというか、邪魔しちゃいけないようなオーラが……」
「誰がアイツと……!!」
違う、といいたいところだけれど、違くなかった。
実際、今付き合っていることは事実であって、理由があるとしても嘘ではないのだ。
否定が出来ないことがもどかしい。
それにあの祐斗の態度を見ていれば普通に付き合ってると思うのも不思議ない。
だってアイツ、いちいち見せつけるようにスキンシップしてくるから。
「小岩井さん、あの、違ってたら、ごめんね?その……」
その子は緊張しているような表情であたしを見つめてくる。
一体なんだろう?
「なに?」
「あの、もしかして……友達、つくりたいのかなって……」
その言葉を聞いた瞬間、カァァァッと顔に熱が集まるのを感じた。