女王のココロを奪うkiss(休載)


それから今日は休憩時間になる度に凛と一緒にいた。

授業の話とか、得意不得意なことを話したりしていた。



「あたし体育ね、毎回のようにケガ作っちゃって、困っちゃうよね。でも理数系は得意なんだよ」

「理数?マジで?すげぇ。あたし体育以外全然だし」



そんな感じで順調に中は深まって行った。

そしてそんな噂はもう既に祐斗の耳にまで届いていたようで、昼休みになって祐斗が教室に来ると、真っ先にその事に触れられた。



「かれん、友達できたんだって?」



まだ教室にいるため、エセ紳士は御覧の通り。



「できた。お前教室戻れ」

「それは出来ないな」



胡散臭い笑いしやがって……。



すると、あたしの方を向いていた凛をチラリと見てから、祐斗は耳元で言った。



「アイツ、信用できんの?」



それは慎重な祐斗だからこその心配。

知り合って日が浅いと祐斗は信用しようとしない。

何か裏があるんじゃないかってそのにこやかな顔の裏で常に悪意のほころびを探している。
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