女王のココロを奪うkiss(休載)
人は嘘をつくと顔に出るって祐斗から聞いた。
好きか、それはかれんの敵か味方か、と聞いているのと同じ。
本心が好きでも嫌いでも、好きと答えるだろう。
人はそう嘘をつくものだから。
祐斗の本命は、その時の顔だ。
「えっと……はい、かっこよくて好きです」
ポッと照れてそう答える凛。
祐斗を見ると、ほっと微笑んだ顔をしていた。
その顔は少し疑いが晴れたようで、きっとその好きは祐斗の反応からして本心だったんだと思う。
「それならよかった」
そんな祐斗の顔を見てあたしも安心する。
と、直後祐斗の腕があたしの肩に回り、引き寄せられる。
ぐいっと力強い腕で引き寄せられれば、それは顔もぐいっと近付くわけで、あたしは反射的に俯いた。
「でも、ちょっと妬けるね」
「は!?」
「まぁ!」
両手を頬に付けて赤面する凛を見て、祐斗のその腕から逃れようと抵抗するが、やっぱり抜けられない。