女王のココロを奪うkiss(休載)
学校では確実に俵担ぎであろうシーンは、紳士効果により、姫抱っこ。
くらくらして歩けるような気がしないから、正直連れてってもらえるのはありがたい。
「あら、かれんったらおバカさんなんだから」
「水と勘違いしても普通人のもの飲まないだろ」
階段を登る音、祐斗の後ろから聴こえてくる親の会話。
部屋に着いたあたしは、ベッドに優しく乗せられた。
いつもなら床に放り投げられるところだ。
「ばーか」
この部屋のドアが閉まれば、この家で唯一祐斗が本性を見せる空間へと早変わり。
「うっさあーい」
「黙れ酔っ払いが」
そう言って掛け布団を顔に落としてくる祐斗は、通常運転だ。
「なにすんのー」
「黙って寝れ」
普段から激しく酒に弱いあたしは、この強い一口がかなり効いている。
頭がズキズキしてきた。
意識が朦朧とする。
「なんで何が入ってるのかもわからないもの飲めるんだよバカが」
「……ん」
「……酔いすぎじゃね?」
「……んー……うらい」
ちなみに、ウザイと言いたかった。