女王のココロを奪うkiss(休載)
「祐斗離せ」
「嫌だ、ずっと閉じ込めておきたいね」
そう言いながらまた力強く抱き締められる。
いや、痛い、ちょっと痛いから!
ふふっと笑い声が聞こえ、その音の主である凛の方を向く。
「あ、ごめんなさい。かれんちゃん、愛されてるんだなぁって思って」
……愛!?
これを見て祐斗があたしを愛してるように見えてるなんて、凛の目は大丈夫だろうか。
眼科行くべきだと思う。
「もちろん、愛してるからね」
嘘でも愛してるとか言わないでほしい、寒気がする。
こんな祐斗キモイ。
一刻も早く退散したい。
そう思っていたら、突然凛が立ち上がる気配を感じた。
「えっと、お邪魔になっちゃうから先に教室戻ってるね、かれんちゃん」
先に、教室、戻……!?
凛は先に帰る気だ。
そうすると必然的にあたしと祐斗が二人になる。
しかもこの態勢だし……嫌な予感しかしない!!
「ちょっ……凛!?」
「じゃあまたね、かれんちゃん」
にこっと満面の笑みで手を振る凛は、早々と教室を出て行ってしまった。
残ったのはあたしと祐斗、ただ二人。