女王のココロを奪うkiss(休載)


溜まり場へ着けば、いつもよりも大人数が集まっていた。

祐斗が収集をかけたんだろうか、いつの間に。



「レンさん!」

「レンさん、祐斗さん!」



あたしたち2人の登場でわーわーと騒ぎ出す。

なんだか幼稚園みたいだ。



「お前ら静かにしろ」

「はい!」



祐斗の命令をきっかけに、場が鎮まる。

そしておずおずとみんなの視線があたしに集まる。



「……レンさんは大丈夫なんすか!?」

「それをこれから話す。黙って聞いてろ」



ここへ来ればいつもの笑顔とは別人のように変わる祐斗。

ここのトップの顔。




「お前ら、俺らの周りで怪しい動きがあったら即伝えろ」

「はい!」

「あと探り入れたい奴がいるから──」



的確に指示を出していく祐斗、一方あたしはというと壁にもたれてじーっと祐斗を見ていた。

よくあんなにテキパキ出来るもんだ、あたしにはムリ。

ふゎぁっとあくびをひとつして、ちょっと眠いなーなんてぼーっと考えていると。



「かれん!」

「あ?」



あたしまでもが呼ばれた。



「お前は『有紗』と接触するな。あとダチ出来たりなんか自分に接触してきたりした奴は俺に寄越せ」

「んー、わかった」



『有紗』と、呼び捨てにしたところが、なんだか引っかかって不快だった。
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