女王のココロを奪うkiss(休載)
目を開いているのが辛くなってきた。
いよいよ睡魔が襲ってくるらしい。
「眠いだろ」
「……」
当然、無駄に長い付き合いであるため、顔の表情一つでなにを考えているかまでバレてしまう。
「おい」
「なん……」
「なんで泣いてんだよ」
わからないけれど、気付けば涙が出て来ていた。
熱いからだろうか。
たまに風邪の時に泣いたりするし。
「お前本当に……」
「……あつ……」
「え?」
「あつい、いらない」
被せられた掛け布団を床に落とした。
あ、やべ、スカート……。
制服から着替えてないことを思い出したけど、今は着替えられない、祐斗いるから。
でも熱いのは我慢出来ない。
スッと、頬に伸びてきた冷たいてのひら。
「熱いな」
「……ん」
そのまま涙を拭う手が、冷たくて、気持ちよくて、ついその手に手を重ねてしまっていた。
「……つめた」
「春は冷えるんだよ」
「知っ……る」