女王のココロを奪うkiss(休載)
ぼーっとする。
暑くて、くらくらして、眠くて……ふわふわと夢との境界を歩くあたしは、気持ちが良くて、つい笑みがこぼれてしまっていた。
その直後、つい数秒、目をつむってしまおうと思ってしまって。
夢に吸い込まれる感覚と共に、顔のすぐ近くに気配を感じて。
唇に熱くてぷにっとしたものが触れた。
「……ん?」
その感覚で夢から浮上してきて現実世界にただいま。
目を開くと、ものすごく近くに、祐斗の顔があったのだった。
「バカかれん」
「ゆ……と?」
顔が近付いてきて、再び同じ感覚がした。
しかも今度は一度ではなくて、なんどもなんども。
ぼーっとされるがままのあたしには、この状況がうまく理解出来なくて、ねむくて。
なんだかセツナイ気持ちになった。
「なんで拒否しないんだよ」
「……へ」
「止めてくれよ、かれん」
こんな辛そうな表情をする祐斗、初めてみた。
「本当に気付かないのかよっ」