赤い筆箱
その場にいた主人が目を丸くして私の手を握っていた。

当然の事だ私は声を張り上げ人を罵るような事はしない。

もう受話器から発せらる言葉も何も判らなくなった瞬間だった

私は手にした携帯を壁に投げ付け破壊してしまった

本気に壊れたのは自分の心だったのかもしれない

それでも泣き叫び続ける私を主人は必死に抱き寄せ宥めた

でも私は主人を振り払い主人を認識出来なくなっていた。

そしてこの日をさかえに私は母親を彼女と言うようになった 心が壊れた日
私は20年に及ぶ隠し続けてきた怒りや悲しみという感情の張り詰めた糸が切れてしまった…

なんとか切れぬよう繋いで来た糸が…
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