普通のあなたと片目の私


『絶対どこにも行かないで!ドアの前で待っててあげて。』




「――分かった。」




5年ぶりに…山田さんに……




「ママ、誰から?」




「七海さん。パパの妹の。」




「あ、七海お姉ちゃんがここに来るの?」




「いいえ。
――パパが帰って来るの。」




「パパが!?」




「ちゃんと"おかえり"って言える?」




あなたは一度も会ったことないけれど。




「僕はもう5歳だよ、ママ。それくらい言えるよ!」




…逞しく育ってくれてありがとう。
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