普通のあなたと片目の私


「…少しだけ山田さんと居ても良いですか?」




「分かった。私は下に下りて待ってるわ。」




山田さんのお母さんが去った後。




「…龍騎、ちょっとだけ目、瞑っててくれる?」




「うん。………いつまで?」




「ママが良いって言うまでよ。」




私は龍騎が目を瞑ったことを確認すると、




「龍…」




私は"普通のあなた"の名前を呼ぶ。


動くことはないその唇に私はそっと自分の唇を重ねた。
< 254 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop