普通のあなたと片目の私
「美雪ちゃんの目を見て俺が思ったことはね…「聞きたくない。」
咄嗟に口が動いていた。
「違う。美雪ちゃんが思っているのは誤解なんだ。俺はただ…「聞きたくない!」
私は耳に手を当て塞ぎ込んだ。
いつも陰口や悪口や同情の言葉は聞き慣れているのに…
何故か山田さんの口からはそんな言葉を聞きたくなかった。
「山田さんのお話なんて聞きたくありません!
……もう、私のことは放っておいて帰って下さい!」
山田さんは私の頭にポンと手を乗せると去って行った。
山田さんが去り際に何かを言った気がしたけど………きっと気のせいだろう。