あなたの中心軸は私です。
「はーい、醜い争いはやめましょっ」
全く緊張感を感じさせない声が静かな空間に流れた。
「なんだてめぇ」
機嫌が最高に悪い不良2人組がのん気な声の方を向いた。
私も不良の人たちと同時に声の主を目で辿った。
するとまさかの人物がそこにいた。
「...王子?」
小さく呟いたそれに気が付いた、王子こと清水ツバサは「ん?」と私の方を見た。
そしてニコッ、と笑った。
その顔を見てなぜか安心してしまう私がいた。