あなたの中心軸は私です。




「キスなんて先輩たちみたいな人にしたくないってさ!」

ヘラッ、と笑いながら不良2人を挑発するようなことを言う王子。
少し勇敢だな、と思った。

王子の言葉に私は大きく頷いた。

私の反応に満足したのか、王子はまたニンマリ、と笑った。

「だってさ!親指姫、行こっかっ」

そう言って私の手をキュッ、と勢いよく握った。
強く握られるのかな、と心配になったが、そんな必要はなかった。

私の手を握る王子の手と私を見る、王子の目はガラス物を扱うように優しかった。




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