あなたの中心軸は私です。
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親指姫の手は、ただでさえ小さいのに、震えて更に小さく感じさせた。
こんな時に涙目になって、俺の後ろを引っ張られながらも一生懸命ついてくる親指姫が可愛いだなんて。
後ろから「おいっ」と怒り気味なむさ苦しい男の声が聞こえても無視無視。
「あっ、あの...」
後ろから聞こえた小さい、小さい声には都合良く反応する俺。
なに?と優しく微笑めば、戸惑いがちに口を開いた。
「あ、りがとうございました。」
小さい声でも確かに俺にお礼の言葉を述べた。